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矯正治療をしても歯並びが元に戻る！？「後戻り」の原因と対策について
せっかく長い時間と高い費用をかけて手に入れた歯並びが、矯正治療後に元の歯並びに戻ってしまう・・・。
「まさか！」と思う方も多いでしょうが、実は歯列矯正において「治療後の後戻り」は決してめずらしいことではありません。
ここでは矯正治療後に起こる後戻りの原因と対策について解説していきましょう。
矯正した歯並びが戻ってしまう後戻りとは？
後戻りとは治療によってキレイになった歯並びが、治療終了後しばらくして元の歯並びに戻ったり再び悪くなったりすることです。
歯列矯正は「歯を動かしたらそれでおしまい」と思われがちですが実はそうではなく、人工的な力で動かした歯には常に元の位置に戻ろうとする力が働いています。
つまり、後戻りは治療を開始した時からすでにはじまっているわけです。
これを防ぐために、矯正治療では装置を外したあとに「リテーナー」という別の装置をつけて後戻りを防いでいきます。
これが一般に「保定」といわれる処置です。
後戻りは矯正治療をしたら必ず起こるものですが、この保定をしっかり行うことでキレイに並んだ歯並びをキープできます。
反対に、正しく保定を行わないと後戻りは100%起こるといっても過言ではないでしょう。
後戻りが起こる原因とは？
後戻りが起こる原因には、次のことが挙げられます。
保定不足
後戻りが起こる原因で最も多いのは、「リテーナーを正しく装着していない」「装着時間を守らない」といった保定不足です。
保定に要する期間は個々の歯並びによって異なりますが、一般的には歯を動かすのにかかった（キレイに歯が並んだ）のと同程度の期間を要します。
そのため、はじめのうちは真面目に装着していても、時間が経つにつれリテーナーをつけ忘れたり、「もういいだろう」と自己判断で装着をやめたりする方も少なくありません。
しかし、それが結果的に後戻りを引き起こす大きな原因になってしまいます。
悪習癖（口呼吸・舌を突き出す・頬杖など）
日頃なにげなくやってしまう癖の中には、歯並びを悪くしてしまうものがあります。
具体的には、唇を噛んだり舌を前に突き出したりするクセや頬杖、口呼吸といった習慣です。
矯正治療ではこれらのクセや習慣の改善もあわせて行いますが（当院では矯正治療と同時にお口の周りの筋肉の機能訓練も指導します）、
治療後もこのような悪習癖が続いていると、後戻りを起こす原因になります。
歯周病
矯正治療後の歯周病も後戻りの原因になります。歯周病は進行すると歯を支える骨を溶かす病気で、周囲の骨が少なくなると歯がグラグラしたり動いたりして歯並びが悪くなります。
後戻りしないようにするには？
せっかくキレイになった歯並びが後戻りしないようにするには、以下の点に気をつけることが大切です。
リテーナーの装着時間・期間は必ず守る
後戻りを防ぐのに最も重要なのは、歯科医の指示に従って正しくリテーナーを使用することです。
リテーナーは矯正装置を外した直後からつけはじめますが、最初の１年ぐらいは１日２０時間の装着が必要です。
それ以降は、歯並びの状態に応じて少しずつ装着時間や頻度は少なくなっていきます。
理想の歯並びが手に入ると「もういいのでは？」とつい油断しがちになりますが、その歯並びをいつまでもキープするために保定は必須の処置です。
そのことをよく理解し、歯科医の指示通りにリテーナーの装着は守りましょう。
歯並びが悪くなる習慣やクセに注意する
「唇を噛む」「頬杖をつく」などのクセのある方は、このようなクセに普段から気をつけておく必要があります。
そのほかに「横向き寝」「うつぶせ寝」など寝る時の姿勢も注意が必要です。
「歯ぎしり」「食いしばり」の対処も忘れずに行う
歯ぎしりや食いしばりのある方も、歯に過剰にかかる力が原因で後戻りしやすいため注意が必要です。
就寝中の歯ぎしりなど自身で改善が難しいものについては、歯科医院で専用のマウスピース（ナイトガード）を作製するなど、個々の状況に応じて対応するようにしましょう。
治療後も歯科医院で定期的にメインテナンスを受ける
矯正治療をする・しないに関わらず、歯並びは時間の経過とともに少しずつ変化していきます。
矯正治療後の後戻りを防ぐためには、治療後も定期的な通院を継続してその変化にいち早く対応していくことも重要です。
まとめ
歯科医院の定期的なメインテナンスでは後戻りの予兆を察知した場合、それ以上症状が進まないような処置を行ったり、少しのズレを修正したりしていきます。
また、あわせてむし歯・歯周病のチェックや歯のクリーニングも行うため、お口の健康をトータルで考えてもメリットは大きいでしょう。
歯列矯正において「後戻り」は治療を受けた人すべてに起こる現象です。
理想的な歯並びを手に入れたら終わりではなく、その後は後戻りをいかに防いでいくかが重要であることをよく理解しておきましょう。
矯正治療後の後戻りを防ぐうえで、一番大切なのはリテーナーの装着です。
長くお口に入れていた矯正装置が外れてホッとする気持ちもわかりますが、次の保定期間も気を緩めず取り組むことが美しい歯並びを長くキープする秘訣といえるでしょう。
